森林生態系への敬意を持ち、森と人々との持続可能な社会のかたちを追求する
200年後の未来を見据えて、人工林の未来を創造する
国土のおよそ3分の2が森林で覆われた我が国、日本。
温暖湿潤で四季のある多雨な気候条件は、植物の生育に相応しい環境を育み、数多くの樹木や植物の豊かな生態系を形成してきました。日本人はこういった自然環境の中で、生態系の中心的存在である「樹木」という天然資源を有効に活用し、暮らしの中に広く浸透させてきた歴史があります。
しかし、こうした日本人と樹木の関係は、資本主義の発展と共に、年々薄れつつあると感じています。
今から200~300年前、社会が豊かになる過程で産業が発展し、エネルギー資源は木から石炭、そして石油・天然ガスへと移り変わりました。同時に、暮らしに不可欠なあらゆる資源も木や石といった身近な天然資源から、化石燃料や金属といった採掘された鉱物資源へと移行しました。そして、20世紀後半以降、インターネットの普及と共に国境を超えたさまざまな交流が情報化社会を生み、欧米文化や異なる価値観との出会いによって、日本人の豊かさに対する価値観にも変化が生じています。これらの動きは、樹木の価値に対する人々の見方が大きく変わる時期に来ていることを表しているのではないでしょうか。
森林には大きく分けて天然林と人工林の2種類があります。天然林は自然の力によってできた多様性に富んだ森、人工林はある目的を達成するために人が木を植え、人の手によって育てられた森のことです。かつては天然林の豊かな生態系と引き換えに、木材生産による高い便益を享受してきました。しかし、樹木の価値に対する人々の見方が変わり始めた今、経済的な理由で放棄される森林が後を絶たない状況に陥っています。
森林はあらゆる生命の源であって、私たちに快適な住環境を提供してくれる尊い存在です。自然環境に手を加える場合、その影響を最小限に抑えるための継続的な管理や環境保護が不可欠です。木材生産の便益を得てきた日本人には、最後まで責任を持って取り組む義務があります。
これまでの人工林には限界が訪れています。天然林の魅力も、人工林のメリットも薄れ、森林全体の価値が低下しています。今こそ、持続可能な社会を見据えて、人工林の在り方を再構築する時期です。
森と人々が調和できる社会の実現を目指し、今を生きる私たちの手で、人工林の未来を築いていきたい。公益性の高い森林資源を次の世代に繋いでいきたい。
ふるさとであるこの地で、私たちは、森と共に、未来を育む。これがnorthenforest(ノーザンフォレスト)の使命です。
◆ 森林整備
◆ 原木販売
◆ 地産地消
◆ 人財育成
舩窪一智 Kazutoshi Funakubo / 代表
浜松市天竜区春野町出身。東北大学大学院工学研究科修士課程修了。
2014年に東京の大手重工メーカへ入社。国内バイオマス発電所建設事業のマネジャー・エンジニアとして、営業、基本設計、建設、試運転、プロジェクト管理に幅広く従事。エネルギー管理士。
2021年に地元浜松に戻り、家業の林業に専念。2023年にはドイツの州公企業ForstBWにて合自然的林業の実践ノウハウを学ぶ。自伐林家として森林の魅力を発信しながら、新しい日本林業の展望を研究中。
趣味は、機械弄り、読書、バイク、登山。
原田加枝 Kae Harada / アシスタント
浜松市天竜区春野町出身。兵庫県立大学卒業。管理栄養士。
2016年に地元浜松に戻り、高齢者施設、病院、検診センター、飲食店で管理栄養士として、人々の健康と食生活の改善に貢献。
家業が林業であったため、幼い頃から木々や森の動植物に触れて育つ。
趣味は料理、カフェ巡り、動画鑑賞、そして推し活。